佐山雅弘の音楽旅日記

野球場だっていうくらいだから相当広いんだが、肉を焼くにおいが空腹にこたえる。一時は50ケ所を数える程だった夏のジャズフェスもめっきり減り、その中でも頑張って二十数回めを迎える宮崎の『フェニックスジャズイン』に来ている。ジャズフェスというものが日本で始まった頃、渡辺貞夫さんが、客席でバーべキューしているのを見て、「なんだこりゃ」と、その後当分出演しなかったという話を聞いたことがあるが、いまや、野外の音楽フェスティバルに客席の自主飲み会はつきもので、その光景を見ないと落ち着かない程に、オレなどはなじんでいる。

出演は午前二時だというのでグレッグ(・リー=B)と10時頃会場にいくと、いきなりマイク・スターン(Gt.)と会い、NYで出会いそこねた話等してるとデニス・チェンバース(Drs)にグレッグが紹介してくれる、なんていう、いわゆるジャズフェスな光景。

客席をそぞろ歩くと知り合いのパーティに遭遇して飲み食いが始まるのも恒例のようなものだが、都城組(宮崎県都城市から来ている人々)に交じってみたらなんと、三好(功郎=Gt.)と小野塚(晃=Kb.)が先客でいて、しかも結構できあがっているではないか。三好は早くに出番をおわらせたそうだからいいけれど、小野塚は最終組、朝4時の出番(結局は押し押しで6時)なのに大丈夫か?

マイクのバンドは相当良く、久々に、嬉しさと焦りの交じった得も言えぬ感動をした。ジャズ的感動ってのは主に、「何やってんだかよくわかんないけどグッとくるものがある」、、、なんて所が通り相場だけれど、この時のデニスは、音符全てがくっきりはっきりわかって、つまり何をどう、、、ってのが手にとるようにみえていて、それとともにぐりぐりと熱い気持ちが腹の底から沸き上がる。則武もポンタもフレーズとしてはそれくらいのことも、それ以上のこともたたいてはくれるのだが、感動の種類がまた違う。ま、当たり前といえば当たり前なんだけど、、、チャ-リ-・ワッツのエイトビートとかね。

赤城ケイ(Pf)がまたよかった。この人も同じく、弾いてることくらいは把握できるんだけど、それどころじゃない何かが、目に見えない大きな波となって押し寄せてくるのだ。「ちょっと、、、、ちがう、、、、なにか、、、、あるよねぇ」と小野塚と盛んにうなづきあって、それも亦愉し。

その小野塚の dimention初聞き、しかもリズム隊は、青木(智仁=B)と石川(雅春=Drs)、とくれば期待もいや増す。自分の出番のあと客席に交じって、上々台風に手拍子を打ちつつ飲んでいる、、、、と思いきや、「終わりました、朝ですよ」と三好に起こされて 「ありゃしまった、寝過ごした!」

楽屋に廻って 「ごめん、ちょうど君達のところだけ、キッチリスッポリ寝とばしてしまった~」とあやまると何故か小野塚バツ悪そうに、、、、

「PONTA BOXのときだけ、気持ちよく寝ちゃったんですョ、、、」

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