佐山雅弘質問箱 2015年9月②

jvocal
転調の移動ド読み
投稿日時:2015/09/12 22:50
ご回答ありがとうございます。

まず、酒バラの7,8小節の作曲者の意図は最初に
4度マイナーのBbm(b7thではなくマイナー6thですよね)で、次にEb7というのは、なるほど仰るとおりで、作曲家からすると最初にサブドミマイナーの代理であるEb7をまず置くというより、メロディラインに合ったコードを作る上で、代理ではないサブドミマイナーであるBbm6を置いて、次にベース音を変えるために代理であるEb7を置こうとしたんでしょうね。

酒バラやOut Of Nowhereでも、自分の場合アドリブする
時にはそこまで考えてなくて、はまる音列を選ぶしかできてないんですが、佐山さんの考え方をうかがって頭の中が
整理されました。

この曲のこの部分のコード進行では必ずこういう音を
使わなくてはいけないというのも当然あるのですが、ある進行では、「こっちの音使いもあるし、別の音使いもある、ただし曲全体のトーナリティーを崩さずに次に移って行くためにはこの考え方がある(あるいはこの音を経由した方がいい」ということなんでしょうね。

こうしたモロモロを実時間の中で作曲して、まず自分で
「あ、いいメロディーが弾けた!」と感じて、それが聴衆にも伝わって「いいメロディーを聴いた」と感じてもらえるってのが理想なのかなと理解しました。

ご回答を読んでまた次の質問を考えているうちに、ジャズというか音楽全体への理解が深まったような気がします。ありがとうございました。精進あるのみですね。

世間話の部分はまだ自分のレベルではついていけない
ところはありますが、移動ドは自分でもそうです。

ここからまた質問になってしまうのですが、How High The Moonのような全音下への転調が連続する曲では(好きな曲です)、どうとらえられているのでしょうか?

key of G ではソドレ/レ~ミ~から始まりますが、3小節目にはもうFに転調していて、小節の最初のBb音は元調からするとbⅢですが、転調先のFのⅡm7であるGm7のからすると3度で、ルートから見ると4度(ファ)です。ここは転調先を先読みしてファと意識しているんでしょうか?

何度も申し訳ありません。

佐山雅弘
Re:転調の移動ド読み
投稿日時:2015/09/18 07:31
良い質問をありがとうございます。こういう機会に、培って来た考えを披露出来るのは喜びです。
F | Fm7 Bb7 | Eb
(key/F)1 | 1m Ⅳ7 | 1 (Key/Eb) 1
と読んで、
(八分休んで)ソドレ#レミラbラ | ソファbミbシラbソファbミ|レ–(ここでEbキーのミに読み替える)

F | Fm7 Bb7 | Eb
(key/F)1 | (Key/Eb) Ⅱm Ⅴ7 | 1(Key/Eb)
と読むと、同じフレーズが、
(八分休んで)ソドレ#レミラbラ | (ここでEbキーに読み替える)ラソファドシbラソファ| ミ–
となり、どちらも成立することがわかります。近親調は借用調も移動ドの中で読める範囲ということですね。
ただこの例のようにフレーズが続いているときは借用読みがスムーズです。
一旦休符を取った場合は、先ほどのフレーズ例を少し変えて
(八分休んで)ソドレミソ(4分休んで) | (ここでEbキーに読み替える)ラソファドシbラソファ| ミ–
となると、これはもうこの一でキーの読み替えが必須になりますよね。
これでジャイアントステップに取りかかるともうグルグルしちゃって大変で面白くてぶっ飛んじゃってトリップしちゃう(笑)

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