「名著抜粋」
12月17日(日)◎「名著抜粋」
高村薫「作家的覚書」より“目指すべき国の姿三項目”
1 平和で誇りに満ちた社会。社会の最大の価値を、子供が仕合せに暮らすことに置く。←予算の配分
2 歴史認識の整理を国家レベルで徹底させる。←佐山注:ポーランドとドイツで共通歴史教科書を作る研究会が持たれている。
3 江戸時代からの四百年間に築いてきた様々な財産を保存・再生・長持ちさせて活かし続ける。
豊かさのストックで安定した低成長社会のモデルになる。
あとがきより:
当面私たちに残されている道は、すぐ後ろに迫ってきている大波に呑み込まれないよう、
黙って逃げることだけである。
◎「名著抜粋」
養老孟司「遺言」より抜粋:
浜辺で犬が遊んでいた。しばらくの間、イヌが波と戯れ、無心に遊ぶ姿を飽きずに見ていた。
これが生きているということで、これが幸せということだなあ。
それにしては、ヒトの子供のこういう姿をしばらく見ていないなあ。
雑草。植えなかった理由は、意味がないから。それなら引っこ抜こう。←意味のないものの存在を許してないでしょ。
ナチ政権は国家的に禁煙運動を始めた。
さらに精神障害者の安楽死を積極的に進めた。
意識は基本的に主体性がない。自身の存在は完全にあなた任せ、身体任せである。
そのくせ、意識があると、その意識は自分が一番偉いと思っている。
「身体を動かすのは自分だ」と思っている。
アートは「同じ」を中心とする文明世界の解毒剤。世界を感覚で捉えたら、同じものは一つもない。
同じものは一つもない世界で、優れたもの、それを芸術作品という。
同じじゃない以上、比較の方法がない。だから例えばその基準は美なのである。