佐山雅弘質問箱 2015年11月

じゃずめん募
oleoなどの循環でのアドリブについて
投稿日時:2015/11/28 11:43
アドリブについて質問させてください。

テンポが速く、コードチェンジも速いoleoなど循環コードでのアドリブは、どのような考え方でアプローチされているのでしょうか?

コードを追ってスケールライクに弾いたり、ブルーススケール的にアプローチしたりするというのは理解しているつもりですが、ハンコックの演奏や最近の方の演奏を聞いていると、モード的?にとらえて演奏しているように感じるのですが、佐山さんはどのような考え方で演奏されているのでしょうか?

また、循環に限らずの話なのですが、ジャズ雑誌に掲載されている最近の方のアドリブのコピー譜を見ていると、スタンダードのトニック(例えばCメジャー)でドレミ・・・を弾かずにGのドミナントフレーズ(コンディミなど)を弾いているように感じるものがあります。これもモード的にとらえているというか、「アドリブの最後のトニックさえ解決すれば、アドリブ途中のトニックは解決させてもさせなくても自由」といったような発想で演奏しているのでしょうか?

佐山雅弘
Re:oleoなどの循環でのアドリブについて
投稿日時:2015/12/24 11:48
どのような考え方で?

僕はトニックの連続として捉えてます。所々(自分の弾くフレーズの都合が合う時に)ドミナントモーションに対応する程度で、いい感じに成り立っていきます。

コードを追ってスケールライクに弾いたり、

Ⅰ→Ⅵ→Ⅱm7→Ⅴ7 でのフレーズ作りはジャズの基本。循環はそのアップテンポでの対応。という意味では、スケールに準じたアドリブも、ゆっくりから始めて身につけた方が良いですね。それはそれで楽しいし。

ブルーススケール的にアプローチしたりするというのは理解しているつもりですが、

前述した“トニックの連続”。そのトニックをブルーススケールにすれば、これまたラクにアドリブ出来ますね。要所要所にドミナントモーションを入れれば完璧。

ハンコックの演奏や最近の方の演奏を聞いていると、モード的?にとらえて演奏しているように感じるのですが、佐山さんはどのような考え方で演奏されているのでしょうか?

ハンコックはまだ聞いてませんが、ブルーノートスケールというのも一つのモード(旋法)ですよね。だからBbドリアンで押し通すワンコーラスや8小節があっても良いし、Bbフリジアも面白い。アドリブなんですから自由に遊ぼう。アラビックスケール(メジャー音階のⅱとⅵをフラット)も笑える。
僕はDb7で押し通す、というのを多用します。アウトコード感とブルーノート感が入り交じっていい感じ。
要するにいろいろ試して自分なりにしっくり来るものを探そう、という所ですかね。

トニック(例えばCメジャー)でドレミ・・・を弾かずにGのドミナントフレーズ(コンディミなど)を弾いているように感じるものがあります。

トニックにおけるドミナントコンディミは解釈が難解ですね。ただ、、、以下、取り留めない話ですが。
マイルスの“ビッチェスブリュー”が大好きでよく聞くのですが、Gm (ドリアンないし自由なモードの総体感としてのGm)の場面が続く中で、D7なフレーズがいっぱい出てくるのですよ。マイナーでのメロディックスケールはドミナントを想定させるから、ソレカナ?とも思うのだが音楽的印象としてはどうも違う。
サッチモの昔から、アドリブの上手下手の分かれ目は“ドミナントからトニックに移る時のフレージング”、とは考えているのですが、そのあたり相関性があるのかどうか。
いずれにしても面白いテーマですから、考え続けましょうね。こんな風に(大袈裟に言えば)日々哲学しちゃう事も、ジャズの楽しみ・喜びの重要な要素です。

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