取りにくいリズム上:4ビート/リズム獲得史③津田俊司の足
2015年5月14日
取りにくいリズム上:4ビート/リズム獲得史③津田俊司の足
フォービート裏打ち 演奏上の僕なりの方法
ジャズはシンコペーションやバックビートの利いた音楽ではあるが、リズム進行の基本はダウンビート(一拍目)にあることは人間の生理として揺るぎのないところ。そこは間違わないようにしないといけない。とは言え・・・
実演の中で見失ってしまったときに頼りにするものを見つけておかないと。8小節単位のダウンビートでは間が空きすぎるし、ベースのランニングで表裏小節の切れ目段落がわかるには相手もこちらも相当上級か関係性が深まっての話。となるとドラムのハイハットが最適。何しろ一小節に二回、二拍目四拍目の知らせがあるのだから利用しない手はない。
という不純な動機と、やはりバックビートに乗って正確にしかもスイングする訓練としてメトロノームをハイハットに見立てた練習は随分した。
踏切を待っている間もカンカンカンカンをNnKan NnKanNnKan NnKan と裏拍に思い込んで聞くとか。車のハザード音なんかも。
目も使う。
コンサートのセッティングで共演者全員の顔が見える(面通しという)のは必須。その上にハイハットが必ず見えるようにする。曲は暗譜して共演者をとにかく見ながら弾く。ソリストだったり歌手だったりリズムセクションだったり全体を遠景のように眺めたり。これはかなり有効で、譜面を追いながら弾くのと格段に音楽から浮き出る景色が違ってくる。というか刻々と移り行く音楽の風景が見えるのだ。これは楽しい。
そして・・・ハイハットが見えるようにセッティングしてもらう。楽器間の距離のこともあるが基本セットはこれでOK。実は今でもこの方式は守っている。未だにリズムキープに自信が持ちきれないのだ。
リズム獲得史③津田俊司の足
本多俊之のバーニングウエイブに参加した時のリズムセクションが国立の先輩ドラマー津田俊司。そして竹田和夫とクリエイションのベーシスト・ヒロ小川。当時はまだ小川弘といってた。バンドの傍らサムタイムも続けていたが同じ吉祥寺にジャズライブも入れるレストラン、セントラルパークで箱バン(毎日出演)だったか縦割り(決まった曜日に出演する)だったか忘れたが3人で仕事を取った。
舞台下手、中央向きのピアノ椅子に座ると上手で正面を向いている津田さんの足がよく見える。その頃はスティービーやロバータの流行り始めだったのでそのテのレパートリィを多く演奏した。バスドラムとベースのタイミングの重要さ、というよりも。ソウルミュージックはソコを土台に成り立っている、ということを覚えた。さて、キーボードはどうするか。四拍目のスネアのなっている点を面に捉えてその中で音を抜くことで白玉(全音符系)にビートを乗せられる。ベースの音を切る際の余韻の尻尾を感じるとグルーブに乗っかれる。などなど多くのことを身につけた。特に津田さんの右足をずっと見ていると、いつの間にかパターンを把握出来るようになった。手がつられて動くようになるにはもう少し時間がかかったが、一人ではパラディドルの基礎練習をしながら、連日のエイトビート、シクスティーンビートのセッションは有効だった。