テレビ月旦 1/3

2015年2月26日
テレビ月旦 1/3

テレビ月旦 前編
入院中テレビを見た。生活リズムとして取り入れると、これでなかなか有効なのがわかった。
日の出頃に起きてしまうので一応拝んだりして。6時からの「クラシック倶楽部」。これは知らなかった。発見して嬉しかった。室内楽やソロが主なのだが洋の東西、有名無名を問わず、楽曲のポピュラリティも問わず。じゃぁ何を問うているのか、つまりコンセプトはというと“良い音楽”だと思う。素晴らしい番組である。ゴールデンタイムに放映してほしいが早起きしたら見ることが出来るだけでもありがたい。ジャズの番組はカケラほどもないものね。
8時に配られる朝食をテーブルに置いたまま散歩(重要な朝の運動)。8時半からの「剣客商売」にあわせて食べる。とにかく少量をゆ〜っくり食べなくてはならないのでこの1時間がありがたい。
若き加藤剛が幾分不器用な、それでいてどっしりと演技している。秋山小兵衛は原作の小柄な設定からはちと遠いながら、役作りと重み、それでいて軽妙洒脱なところも絶妙に演じている。なんといっても音無美紀子がかわいい。かわいい上に知性が乗って、それがそのまま、地のお人柄とも見受けられることと役の設定にも通じているところが素晴らしい。
監督や会社も含めじっくりと良いものを、茶の間に届けて恥ずかしくないものを作る意識があった時代を感じる。

その後の午前中は診察。ないときは読書や書き物に。昼ご飯はDVDを見ながらのゆっくり食事。午後は来客時間。これが有明滞在40日間ほぼ毎日誰かの訪問があったのだから嬉しいことである。その前の新百合ケ丘の10日間は風前の灯火だったのでさすがにほとんど人は来ず(おおっぴらに教えてもいなかった)来てくれていても意識朦朧で判別出来なかったと思われる。
ここで余談。面白い話。
笑えるエピソード “タイミングの悪い人”
死ぬの生きるのと周囲は病院の段取り。本人は遠ざかった意識がうっすらと戻るたびに周囲の状況が変化していることだけはわかるが詳しくは把握出来ない。そうして担ぎ込まれるように入院した翌日に駆けつけてくれた人がいる。有り難いのだがいまはそっとしておいてほしい。それにしてもそういうときに何故自分から「大丈夫です」と言うのだろう、のどと呑気なことも考えながら礼を言ってはベッドに倒れ込む。
その同じ人が7時間の大手術をした翌日、もっとも体のきついときに「大丈夫ですかぁ」とやってきた。この時はさすがに「大丈夫ではありません」と堂々と答えたものだ。腹蔵ない間柄なので「それにしても間の悪い」と二人で笑い合っても腹筋が痛む、トホホな俺たち。
夕方からのテレビの話はまた次回。

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