短期的経過 あわや中止か? 2018年初頭の出来事⑤

短期的経過 あわや中止か? 2018年初頭の出来事

3種類目の抗癌治療(薬の組み合わせ。個人的な相性があって2回ほど七転八倒した)で比較的安定状態で新年を迎えた。胸に“ポート”というのを設置して栄養剤と水分を常時点滴する生活。病院・在宅合わせて見てくれた1ダースほどの医師の中には

「新年を迎えられるかどうか微妙ですね」

という人もいたくらい腹膜播種というのは発見されてしばらくするとお陀仏になるはずなのだがまぁラッキー。

薬(麻薬系)で痛みを抑えながら腸閉塞予防のために流動食にして、という医師の指導を無視して、点滴は続けながらも食べられそうなものを口から食べて(頑張った)治療薬は摂取しても麻薬系は遠ざけたのがよかったのだと思う。医者は今日明日生き延びること、事故を起こさぬことをプライオリティにするがこちらは死ぬかもしれなくても治る方向に持っていきたいのだ。最終的な判断はやはり個人個人がするものだと思う。

そうした状態で2月に新居浜に美術家の友人のイベント、帰り道で名古屋音大の集中講義。一日置きに高熱が出るものの仕事は無事にこなして帰京。二月末に無事レコーディングを終えたところでまた高熱。下がったタイミングで在宅医師に話すと、それはおかしいので血液を取りましょう、と持ち帰った翌日。

朝からの高熱でオコリまで出てウンウン唸っていたら医師から電話。

「白血球が以上に増えてます。最も考えられるのは骨髄への転移。すぐ病院に行ってください」

来ましたねぇ、と入院先に担ぎ込まれる間は意識朦朧。気がつくと集中治療室で10人ほどの医師看護師に囲まれて身体中に針を刺したりチューブを入れたり。

「おおごとですねぇ」と声をかけると

「血圧が60を下回っていてあなたは今、危篤状態です」

でもぼうっとしているので苦しくはない。こうやってデクレッシェンドで死んで行くならラクでいいわい、と思うのは最初の衰弱の時から5回目ぐらいにはなるだろうか。

原因は胸のポートからの感染で黴菌が血管に入って全身を回ったこと。

骨髄転移でなくてよかった。

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