差し入れ月旦3

2015年2月12日
差し入れ月旦3

差し入れ月旦 その3 書籍
高平哲郎 “銀座の学校 新宿の授業”
天下のプロデューサーが若き日のミュージカルへの憧れから始まったというのが意外でもあったが、当時の日本の音楽事情の素朴さ、真面目さが偲ばれる。人と人の交流が化学反応を呼び、全国に発信出来ていったのだからさぞや楽しかったろう。息つく間もなく読み進むが呼吸困難になるほど中身が濃くて半ばにして放棄。
高田聖子さんにもらった写真集
突然の意外な訪問に喜びも一入。ぼくは聖子(ショウコ)さんの大ファンなのだ。アフリカのある部族。木々の葉っぱを主に、花や土まで使って身を飾る。その写真集。画集をみるような、それ以上に迫るものがあるような。1ページの文章を読むくらいの時間1ページ1ページを眺めてしまう。

阿佐田哲也“麻雀放浪記Ⅰ”
僕の麻雀好きを知っての差し入れ。当然読んだことはあるし差し入れ人もそれは知っているのだが“今また面白いでしょう”と持参。
ぱらぱらと斜め読みするつもりでページを開いたら、さすがに面白く一気に読み通してしまう。棋譜に相当する牌譜も面白いが、文体が見事なのにこのたび気づいた。遅すぎるけど、それだけ設定やストーリーが斬新だったのだからしょうがない。阿佐田哲也と色川武大にまたがる全集があって一通り読んだのだが、文体の使い分けはまだ把握出来ないまでも、大衆文学と純文の行ったり来たりを楽しんでたのかなぁ。ブロードウエイとハリウッドで作曲法を使い分けるリチャードロジャースのように。

T君にもらった文庫本
T君とは学生時代からの付き合い。一つ年上のギタリスト。普段人生観的な話はしないのだが「最近これを読んで人生観が大きく広がったんだよ。佐山君も読んでみて」と、よくある感じの啓蒙本。もとが嫌いだから読まないが、せっかくだからページを開く。意外とこういうことからすばらしい出会いや悟りが・・・と思ったがやはり駄目だった。このテのことは受信側と発信側の運命的タイミングが必要なんだろう。

写真絵本“奇跡の島”
ナチュラリスト系も縁遠いのだが入院中の箸休めにはぴったりだった。夢が広がって実際に訪ねたりする人々もあるのだろうが、僕はこれを持ってきてくれた人の心の奇麗さのほうに気持ちが向いてゆく。

京都魔界案内
僕の京都好き(京都人嫌いと矛盾しない)を知っている京都人がくれたが陰陽師系の話で、やはり興味がないので読まずにすんでいる。
別の人から京極夏彦“鉄鼠の鎖”(だったと思う)という1000頁を超える文庫本も貰った。京極夏彦には以前から興味もあり3分のⅠほどは読んで物語が動き始め、さあこれから一気に読んでしまえるのかな、と思ったところで挫折。

病院に備え付けの漫画がいっぱいあって、そちらにハマるものが出てきたのも大きいが、それはまた別に書きたいと思う。漫画月旦とかテレビ月旦とかネタ元はいろいろあるのでお楽しみ。

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